荒涼地論 〜在りし日のインフラがもたらす分断と縮退のあり方について〜

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学部4年次の伊藤毅(歴史系)スタジオ課題である。
テーマは「荒涼地論」自分にとっての荒涼地を定義し、介入する方法を提案するという課題であった。
選定した敷地は東京都杉並区和泉から西新宿へ至る都道431号線、通称水道道路の境界部である。江戸時代に作られた玉川上水だが、水質が悪化したことから分水することとなり、杉並区和泉から新宿区淀橋浄水場へ新たにつくられた水路が玉川上水新水路である。現在は淀橋浄水場も廃止され、水路跡を埋めて道路にしたことから、水道道路の通称で親しまれている。

さてその水道道路だが、周囲よりも3mほど高くなっている。自然地形だと淀橋浄水場よりも低いところに地盤があり、そのため盛り土によって線形の堤が通ることになった。堤の境界部には高低差や交差する道路によって出来たヘタ地が残されており、高密化する都市部の中で一種異様な光景を作り出している。このような、かつては必要とされていたインフラ(水路)が不要となり、構造物のみが取り残された結果生み出されたヘタ地やその周辺環境を荒地、と定義し、時間をかけながらインフラを解体し、縮退させていく方法を提案した。